「脱・筋ジストロフィー」を目指して
2017年2月14日・記
S君は ふつうの2歳児に比べ、
どこが違うか?
S君の何が心配か?
ママに書き出してもらいました。
ママが心配していること
1. 抱っこするとエビ反りをすることがよくある。
2. 頭から倒れやすい。転ぶ時は頭を床にゴツンと音を立てるようにしてぶつける。
3. ソファーやベッドから下りる時は、頭から下りようとする。
4. .室内滑り台も、頭から下りようとする。
5. スプーンを持つことは出来るが、口に持っていくことは出来ない。
6. 衣服の着脱は出来ない。
7. 両手で手を8洗う動作は出来ない
8. 出べそが大きい
9. 歯の数が14個しかない。 (2〜3歳での標準の歯の数は16〜20個)
その後、S 君の運動、嚥下、言葉、知能の障害は少しづつ改善されつつあります。 改善が少しづつ積み重なって、S君の日常がふつうの子の日常に近づいていく歩み、〜〜 それは『脱・筋ジストロフィー』への歩みとも言えるのではないでしょうか。
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ふくらはぎが硬くて丸っこい(=デュシェンヌ型筋ジストロフィーによく見られる特徴)
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足の爪がスプーン爪をしていて、とても薄く割れやすい。
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歩行はよたよたした歩き方。(竹馬歩きとも言う)
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長い距離は歩けない。
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走ることが出来ない。
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ジャンプが出来ない。
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階段の昇降は出来ない。
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しゃがんだ姿勢から、なかなか立てない
その他、気になるS君の行動や運動
生理面で心配していること
歩行や足に関して 他の子と違うところ
S 君は骨盤底(いわゆるお股)の中心が硬縮しているという骨格的な問題を持っていたことを探り当て、確認しました。そのため足の動きが拘束され体も安定しないようです。足の爪も発達しません。
骨盤底中心の硬縮が改善されると、S君の歩行や体の揺きにはどんな変化が表れるでしょう?
<その後のS君・動画>でS君の変化の様子を検討します。
歩行について
2歳になっても、抱っこするとえび反りをする」という動作は、障害を持つお子さんによく見られる動作です。えび反りをするお子さんは、抱っこ姿勢が安定せず抱きにくい傾向があります。多くの場合、頭の位置が体幹の体軸線から外れているケースが見られます。
・・尚、S君のえび反りは4月頃には改善され、抱っこ姿勢が安定してきました。
えび反り以外にも、S君には左の表にみられる様々な運動障害や身体障害があります。これら障害の原因が何に起因しているか?
それを一つ一つ探りながら、障害をクリアーしていく作業がこれからも続くことでしょう。
えび反り他について
S君は 吸気呼気の機能に障害?
「おっぱいを吸い込むことが出来なかった」「食べ獲物が喉につかえて呑み込めない」というS君には、吸気及び嚥下機能に障害があることを意味しているでしょう。
ちなみにチューブを口に加えてフーッと吹いても、チューブの先から息が出てきません。つまりS君には吸気障害の他に、呼気障害もあり、「痰が出にくい」症状にもつながっていると思われます。
〜〜なおママからは、4月後半に「最食べ物が喉に詰まらなくなった、むせることがなくなった」という改善の報告が寄せられました。また、コロコロうんちの改善もそれより早期に現れています。
現時点では、S君の嚥下や呼吸機能や大便の改善はMizの施術効果と考えていますが、まだ断定は出来ません。 また施術に関するより詳しい説明は後の機会に譲らせていただきます。
言葉が言えないのは何故か?
音声は肺から排出される呼気によって声帯が振動し発せられる音です。S君には呼気障害があるために、呼気で一気に出る「奇声」は出るものの、声帯の振動を操作しながら出す音声の発声は難しいと考えられます。
尚、3月に入って、S君の呼気機能に改善が見られました。この改善が言葉の発声に効果をもたらすことを期待しています。
また4月には、積み木遊びをするようになりました。知的改善の兆しが今後も進むか、退行するか。予断を許さない現状です。
言葉が言えない一つの理由
"脱・筋ジストロフィー" を目指して、
負けるな S 君
S君の障害を遺伝子の問題として捉えると、全く手も足も出ません。
しかし、S君の現実の症状や機能を分析し、その一つ一つを改善していくという方法によって「脱・筋ジストロフィー」への歩みを進めることが出来るのではないか。〜〜Mizはその可能性に期待をもち、取り組んでいます。
S君に関するMizの感想