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​3次元(立体視)認知異常とは・・(H.P.のあらまし)

あなたの " 両眼視 (3D認知)" は正常ですか?

私たちは眼科で視力検査をしますが、通常の検査は、右目または

左目の視力=”単眼視の視力”=を検査しています。

単眼視(右目、左目)は それぞれ正常であっても、

両眼視(右目と左目の同時視)に問題があると、奥行き、立体、遠近などの3D認知に異常や錯覚が出て、トラブルの元になったりするのですが、現在、​両眼視の検査はほとんど行われていません。

右の目は  何を見ているの?・・

​左の目は どこを見ているの?・・

両目で何が見えているの?

また、3次元認知に異常があっても、これまで両眼視の検査は一般的に行われていないため、それを知ることが出来ずにいました。

「ピンホールテスト」は 簡単お気軽デストですが、このテストで、今まで検査出来なかった自分の「両眼視」の特性や異常をおおよそ知ることが出来ます。時には、被験者の両眼視に大きな障害があることに気づくこともあるでしょう。

両眼視の特性を知ることによって、日常生活のトラブルが少しでも軽減できればうれしいですね。

両眼視(3D認知)に異常があると、たとえば・・

1. 写真を撮るとき、顔の位置を直される。

2. 運転をしていると、前の車が自然に右、又は左に寄っていく(のを見たことがある)。

3. バックで駐車する時、ナビを見ないと右または左に曲がりやすい。

4. 運転中、前の車のナンバープレートがやけに目に入る。

​ または、前の車の屋根や道路標識がやけに目に入る。

5. 目を閉じて足踏みすると、右または左に向かって進む

6. 高いところから下を見るのが極端に怖い(=高所恐怖症)。

7. 降りる階段がとても怖い

8. 視力検査では正常なのに、4メートル先の文字が読み取れない。

9. ​車窓から左窓の景色を見るのは疲れる。(またはその逆)

10. 椅子に座る時、テーブルに対して斜めに座る、

     または、体を斜めにして前の席の人と話をする。

まさか、上のような日常的なことが3D知覚の異常と関係しているなんて、ちょっと考えられませんよ、ねぇ〜

立体や奥行きを認識できない人がいる( Kちゃんの事例より)

私は、Kちゃんに出会って初めて、奥行きや立体などの3Dを認識できない人がいることを知りました。
Kちゃんが「絵を描くのが下手なの」と言いながら描いた絵を見てみると、その絵は ”ちょっと変わった絵”でした(下図)。
Kちゃんが、皆とは違うちょっと変わった絵を描くのは何故か?
 
 
 
 
 
 
 
 
その原因が分かりました。
Kちゃんは立体の認識がふつうの人と異なる視覚異常=両眼視に問題=をもっていて、立体が認識できなかったり物体が平べったく見えたりするのでした。
文献を探してみましたが、「立体の形や遠近の景色を認識できない人がいる」ことに関する文献は見当たりませんでした。3D認識の異常は、医学界も気づいていない視覚異常なのでしょうか?
Kちゃんの事例から、両眼視の異常は とても身近な問題で、現実的な日常生活に反映している問題でもあることを学ぶことができるでしょう。

Kちゃんの事例から学んだ!こと

立体や遠近は、両眼視によって認識される・・・

単眼視の検査では問題がなくても、両眼視に問題があると、遠近や奥行きなどの3D認識に差異が生じます。
なぜなら、私たちは遠近や奥行きや立体の認識は、両眼視(左右二つの目で見ること)によって行われているからです。
私たちの右目と左目は数センチ離れています。左右それぞれの単眼視野は、鼻側を中心に重なり合っていて、左右の重複範囲(視野)で両眼視差が生じます。
これによって生じる両眼網膜像差によって、私たちの視覚は立体知覚(3D認識)をしていると言われています。
                                              立体知覚の仕組み = 両眼視差 

ピンホールテストで自分の両眼視の検査をしよう

 ​ピンホールテスト 
ピンホールテスト
​トイレットペーパーの芯(穴)の先に 何が見えますか?
立体(3D)認識や遠近認識ができないという視覚異常については、医学文献が少なく、その概要や原因を知ることが出来ませんでした。
しかし、私は、たまたま、ピンホールテストで左右の視線の方向を調べていた際、
ピンホールテストによって左右の視野異常や3D異常を探り出すことができることに気づきました。
ピンホールテストは、輪(トイレットペーパー
芯など)から何が見えるかを検査するテス
です。このテストで、自分の視線や視野の方向
を知ることができます。
お気軽テストですが、意外や意外、自分の右目
と左目が、まっすぐ前を向いていないことに気
づき、驚く人が続出しています。
ピンホールテストで​、自分の3D特性を客観的に
理解して、日常生活に支障が出ないよう 気をつけ
ましょう。 
詳しくは 当H.P.の ピンホールテスト  ご参照下さい

 3次元認知障害 (= Eタイプ)は ピンホールテストで分かる

左右の視野が交わらないケース
左右の視野/標準型
​ピンホールテストを多くの人に試みていく過程で、
​「両眼では、ピンホール(穴)から向こうを見ることが出来ません」
「片目でなら見ることが出来ます」(片目でしか見ることが出来ない)」
という方がいることに気づきました。 ⇒⇒ Eタイプ
                
観察を進めて分かったことは、Eタイプの人は、左右の視線が異方向を向いていて、そのため 左右の視野が重なる範囲が全く無いか、あるいは非常に狭いという視覚特性がありました。

 
右図は、標準的なAタイプの人の視野の
モデル図です。
左右の目はやや外側を向き、左右の視野
が重なる部分が中央部にあります。その
ため、眼前の広い範囲焦点を合わせる
ことが出来ます。
下に示す図は、Eタイプの 左右の視野のモデル図 です。
Eタイプは左右の目が別々の方向を向き、両眼視で見る範囲が無いか、あるいは極端に小さいのが特徴です。
右目と左目では別々のものが見えていることに注目して下さい。
このため、Eタイプは奥行きや遠近や立体を認識する範囲が限られており、
3次元の認知に障害が現れます。     Eタイプの特殊性 
​ピンホールテストの実験を進める中、発達障害、自閉症、知的障害の方々の中に、Eタイプの人が数多く見られることから、視覚が発達障害に大きく関与していることが推測され、私は関心を持っています。
Eタイプの ピンホールテスト
「ピンホール(穴)から両眼で向こうを見て下さい」​というテストで、
 
「両眼では見えません。片目でなら見えます」
という人がいました。
いったいこれは、どういうこと?
​何故なの?

​もしかして、我が子は 3次元視覚障害なの?

母のブログ もしかして我が子は?

3次元認識異常という障害については文献が少ないので、自分の子どもの異常性の原因が、視覚にあることに気づかずに悩んでいるお母様は、少なからずおられます。

下記は、あるお母さんのプログからの抜粋です。

娘が小さい頃から、階段を下りるのが怖くて苦手で、早く下りることが出来ないのは知っていましたが、私は娘が臆病なだけだと思っていました。
しかし娘が、私にこう尋ねました。
「みんなはどうして、あんなに早く階段が下りれるの?
階段の段の違いを、どうやって確認してるの?」

段の違い?確認?感覚?どういうこと?
私の頭の方が?でいっぱいになってしまいました。

「だって階段の境目ってわかんないでしょ?」
娘の言ってる意味がわかりません。

びっくりしていろいろ聞いてみて、本当に愕然としました。
娘は階段が急な坂のように見えるというのです
それどころか、周りの景色も平面 (2次元) のように見えるようで
頭では物が立体なのは理解していても、距離感が分からないようなのです。
なれた場所(家の中など)は、だいたい頭が覚えているようで
すぐに立体的に浮き上がって見えるようですが、

体調によって2次元になったり3次元になったりするそうで、

外に出て建物の多い所や人ごみに入ると、そのせいで吐き気がするようなのです。

子どもの頃からそんな風にしか見えていなかったので、
周りのみんなも自分と同じだと思っていたようで、
私も含めてみんな、階段はちゃんと段差がわかるし、
風景も常に最初から立体に見えてる、物の距離感(どれが前にあって、
どれが後ろにあるかなど)も、ちゃんとわかるということを
伝えると、娘は本当に驚いていました。

​3次元障害だなんて、今まで聞いたこともありません。

15年もわからずに、かわいそうなことをしてしまった。本当にショックでしたが、娘は自分が出来なかったことが自分の努力不足のせいじゃないとわかって、ほっとしているようでした。

これから、どうしたらいいのか、まだわかりませんが、それでも、何も知らないままでいるよりいいですよね。

​___________  本文⇒ あるお母さんのブログへ 

絵画に現れる3次元の認知障害

Eタイプの視覚特性は、描かれた絵画に現れます。
Eタイプの人が描く絵は、遠近や立体感のない絵が数多く見られますが、そこにはEタイプの3次元認識の特性が現れていると考えられます。

3次元の認知障害があると、立体感のない描画を描くだけでなく、建造物やインテリアや物体の日常的な理解にも障害が出やすく、周囲とのトラブルが発生しやしすいことが考えられます。地図や地形の理解、空間の広がりや宇宙の広がりの理解(イメージ)も、個性的、独自的になるしょう。

3次元の認知異常が、発達障害、知的障害(共有性の欠如)、あるいは秀でた特殊能力に関わっていることを、世の人々はどれだけ知っているでしょう。  

                        絵画と3D 認知  

ピカソは3D認知に異常(特異性)があった・・?

パブロ ピカソは、従来の遠近法を打ち破り、キュビズムの魅惑的な作品を次々に発表した天才画家として有名ですが、​もしかして、
「実はピカソは、両眼視3D認知機能に異常があったのではないか・・?」
という推理が浮上しました。
それを確かめる簡易な検査法が「ピンホールテスト」です。
今となっては、ピカソにピンホールテストを試みることは出来ませんが、
ピカソのキュビズム期の作品は、ピカソの視覚が3D認知機能に特異性があることを暗示しており、それが秀でた画家の才能と相まって作品に反映されていると考えられないでしょうか。
                                          〜〜〜詳しくは ⇒⇒ ピカソの目の謎

2つの眼をもつ生物が生存競争に生き残った !

動物はおおよそ2つの眼を持っています。これは進化の過程で、二つの眼を持つ生物が生き残ってきたことを意味します。
二つの眼をもつ生物は、2億2千年前のカンブリア紀に生まれました。
二つ眼の生物は、カンブリア紀に飛躍的に進化し、爆発的な繁栄をもたらし、現在に至っています。
なぜ二つの目を持つ生物が生存競争に勝ち、生き残ったのでしょうか?
 
一つ目(単願視)では、遠近や奥行きをしっかり感知することはできません。障害物がどの距離にあるか?、先へ進むと環境がどうのように変化していくか?、自分を襲う敵はどの距離にいるか?・・などは、一つ目ではよく認識できません。
               →→   カンブリア紀;二つの目を持つ生物が現れた  
 
二つの眼を持つことによって、生物は遠近や奥行きなどの3D空間の認識が可能となりました。敵から自分を守り、食べ物の獲得が有利となり、生存競争に打ち勝ち、生き残ったのではないでしょうか。
​私たちの目が1つではなく、2つの目を持つことの意義を、このホームページであらためて考えていただければ幸いです。
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なお、現在、私たちは両眼視ではなく、単眼視(片目のみで見る)でも遠近や奥行きを認識することが出来ます。
おそらくそれは、機能の履歴遺伝によるもので、過去の二つ目による認識機能が、私たちの脳や体に機能システムとして組み込まれているためと考えられます。
そして潜在する遺伝的な認識機能は、今現在の両眼視による3次元空間認識と相重なり作用し合うことによって変化し、進化していくのではないかと考えています。
カンブリア紀に2つ目を持つ生物が現れた
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