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3次元(立体視)認知異常とは・・
「3次元認知異常なんて自分と関係ない」
と皆さんは思っているかもしれません。
しかし例えば 次のようなことはありませんか?
思い当たることはありますか?
3D認知異常(錯覚)があると、たとえば・・
1. 写真を撮るとき、顔の位置を直される。
2. 運転をしていると、前の車が自然に右、又は左に寄っていく(のを見たことがある)。
3. バックで駐車する時、ナビを見ないと右または左に曲がりやすい。
4. 運転中、前の車のナンバープレートがやけに目に入る。
または、前の車の屋根や道路標識がやけに目に入る。
5. 目を閉じて足踏みすると、右または左に向かって進む
6. 高いところから下を見るのが極端に怖い(=高所恐怖症)。
7. 降りる階段がとても怖い
8. 視力検査では正常なのに、4メートル先の文字が読み取れない。
9. 車窓から左窓の景色を見るのは疲れる。(またはその逆)
10. 椅子に座る時、テーブルに対して斜めに座る、
または、体を斜めにして前の席の人と話をする。
まさか、上のような日常的なことが3D知覚の異常と関係しているなんて、ちょっと考えられませんよ、ねぇ〜
運転中、地面に近いものを見落としがち
1〜2台前の車の動向や案内標識を見落としがち
単眼視(右目と左目)は各々正常でも、両眼視(右目と左目の同時視)に問題が
あると、奥行き、立体、遠近などの3D認知に歪みや錯覚が現れます。
また、体や顔の方向と視線の方向が異なる場合も、ある種の3D認知異常が現れます。
ピカソは3D認知に異常(特異性)があった・・?
ピカソの目の謎
絵画と3D視覚
立体や奥行きを認識できない人がいる( Kちゃんのケース)
パブロ ピカソは、従来の遠近法を打ち破り、キュビズムの魅惑的な作品を次々に発表した天才画家として有名ですが、
もしかして、
「実はピカソは、両眼視3D認知機能に異常があったのではないか・・?」
という推理が浮上しました。
それを確かめる簡易な検査法が「ピンホールテスト」です。
ピカソがもし「ピンホールテスト」をしたら、どのような結果が出たでしょうか?
今となっては、ピカソにピンホールテストを試みることは出来ませんが、
ピカソのキュビズム期の作品は、ピカソの視覚が3D認知機能に特異性があることを暗示していると考えられます。
〜〜〜詳しくは ⇒⇒
Kちゃんという中学2年生の描いた絵を目にするまでは、私は、遠近や奥行きや立体などの空間は、誰もが同じように知覚し共有していると思っていました。
ところが Kちゃんは、立体が認識できなかったり物体が平べったく見えたりすることが分かりました。Kちゃんは「絵を描くのが下手なの」と言います。描いた絵を見るとその絵は ”ちょっと変わった絵”でした(下図)。
Kちゃんが、皆とは違うちょっと変わった絵を描くのは何故か?
その原因を探って分かったことは、Kちゃんは立体の認識がふつうの人と異なる視覚異常があり、そのため3D空間を錯覚するということでした。
なぜ3次元空間が錯覚され、奥行きや立体の知覚が狂ってしまうのか?
その訳は、Kちゃんの目は、右目、左目それぞれの視覚は正常であっても、左右同時に見る両眼視に問題があったことが原因と推測されました。
Kちゃんの事例から、私たちは、両眼視の異常は 現実的な日常生活に反映する問題でもあることを学ぶことができるでしょう。
立体や遠近は、両眼視によって認識される・・・
両眼視・図
Kちゃんが数学の図形の問題が解けなかったり、Kちゃんが幼稚っぽい描画を描く理由は、実は、Kちゃんの両眼視の認知が異常であることが原因だったと分かりました。
単眼視の検査では問題がなくても、両眼視に問題があると、遠近や奥行きなどの3D認識に差異が生じます。なぜなら、私たちは遠近や奥行きや立体の認識は、両眼視(左右二つの目で見ること)によって行われているからです。
私たちの右目と左目は数センチ離れています。左右それぞれの単眼視野は、鼻側を中心に重なり合っていて、左右の重複範囲(視野)で両眼視差が生じます。
これによって生じる両眼網膜像差によって、私たちの視覚は立体知覚(3D認識)をしていると言われています。
自分の " 両眼視 " の癖や特徴を調べてみよう・・・
ピンホールテスト
テスト結果はA〜Eタイプに分けられます
ピンホールテスト
トイレットペーパーの芯(穴)の先に 何が見えますか?
私たちは眼科で視力検査をしますが、それは右目または左目の視力、つまり単眼視の視力を検査しています。
通常、両眼視についての検査は行われません。
Kちゃんの視覚異常に遭遇して、私は両眼視の問題に興味をもち、両眼視の特性を検査するテストとして、ピンホールテスト、トランプテストを開発しました。今すぐにでも出来るユニークなテスト法です。
ピンホールテストは、判定の面で「利き目テスト」とは異なります。
このテストをすることで、今まで知らなかった自分の「両眼視」の特性を知ることが出来ます。
〜〜「自分の左目は正面を向いているか」
「右目はどうか? 視野はどうか?」」
「左右の目の視野方向や焦点はどこにあるか?」などなど。
このテストの被験者の半数は、ピンホールテストの結果に驚いたり、不思議がったりします。・・あなたはどうでしょう?
なお、トランプテストは、目の動きの癖や特徴、視野を知るテストです。
下の写真は、ピンホールテスト、トランプテストのテスト風景です。
テストのおおよそがイメージ出来るでしょうか。
ピンホールテストもトランプテストも、アバウトなテスト法ですが、被験者の視線の方向や癖、視野の個性がそれなりにテスト結果に反映されます。
もし今後、ピンポール現象を利用したより精密な検査法が開発されれば、人の3D認識の個性や差異がより正しく分析されるようになり、私たちの視覚の理解がより深まるでしょう。
私は、3D技術の向上や知的障害の治療に役立つ未来が来ることを期待しています。
トランプテスト
左右2つのトランプを、同時に見て下さい。
トランプ テスト
あなたの動眼(目の動かし方)の癖は?
ピンホールテストで分かった 3次元認知障害(=Eタイプ)
Eタイプ
「ピンホール(穴)から両眼で向こうを見て下さい」というテストで、
「両眼では見えません。片目でなら見えます」
という人がいました。
いったいこれは、どういうこと?
何故なの?
ピンホールテストを多くの人に試みていく過程で、
「両眼では、ピンホール(穴)から向こうを見ることが出来ません」
「片目でなら見ることが出来ます(=片目でしか見ることが出来ない)」
という人がいることに気づきました。
このタイプの人を、Eタイプとしました。
観察を進めて分かったことは、Eタイプの人は、左右の視線が異方向を向いていて、そのため 左右の視野が重なる範囲が全く無いか、あるいは非常に狭いという視覚特性がありました。
下の図は、Eタイプの 左右の視野に関するモデル図 です。
比較として、
標準型のAタイプの視野のモデル図を
右に示します。
Aタイプの人の左右の視線は正面より
やや外方を向き、視野の重なりが広い
ので、広い範囲で焦点を合わせること
が出来ます。
Eタイプは、A〜D タイプと異なり、左右の目が別々のものを見ており、
両眼視で見る範囲が無い、あるいは極端に小さいのが特徴です。
そのため、Eタイプは奥行きや遠近や立体を認識する範囲が限られており、
3次元の認知に障害が現れます。
ピンホールテストを行ってみた結果、発達障害、自閉症、知的障害(共有性の欠如)を持つ人には、Eタイプの人が数多く見られることに、私は関心を持っています。
詳しくは
→ Eタイプの特殊性
もしかして、我が子は 3次元視覚障害なの?
3次元認知障害(Eタイプ)とは、どういう症状か、ご存知の方はいますか?
私もKちゃんに出会うまでは、3次元認知障害について全く知りませんでした。
3次元認知障害については、一般の人はもちろん医学界もそれと気づいていないようで、文献がほとんど見当たりません。
私は、あるお母様のブログに目を留めました。
心優しく傷つきやすい娘さんが、いじめに合い、小学高学年の頃から不登校になりました。中学になっても不登校があり、病院で治療を受けたりしていましたが、ある日、お母さんは、我が子が3次元視覚障害を持っていることに気づいたのです。
〜〜〜このブログを読むと、3次元視覚障害の切なさが心に染みてきます。
→ ブログ
「もしや、娘は3次元障害?」
絵画に現れる3次元の認知障害
Eタイプの視覚特性は、描かれた絵画に現れます。
Eタイプの人が描く絵は、遠近や立体感のない絵が数多く見られますが、そこにEタイプの3次元認識の特性が現れていると考えられます。
3次元の認知障害があると、立体感のない描画を描くだけでなく、建造物やインテリアや物体の日常的な理解にも障害が出やすく、周囲とのトラブルが発生しやしすいことが考えられます。地図や地形の理解、空間の広がりや宇宙の広がりの理解(イメージ)も、個性的、独自的になるしょう。
3次元の認知障害が、知的障害(共有性の欠如)にも関わっていることを、世の人々はどれだけ知っているでしょう。
詳しくは
→ 絵画と立体視障害
2つの眼をもつ生物が生存競争に生き残った !
動物はおおよそ2つの眼を持っています。これは進化の過程で、二つの眼を持つ生物が生き残ってきたことを意味します。
二つの眼をもつ生物は、2億2千年前のカンブリア紀に生まれました。
二つ眼の生物は、カンブリア紀に飛躍的に進化し、爆発的な繁栄をもたらし、現在に至っています。
なぜ二つの目を持つ生物が生存競争に勝ち、生き残ったのでしょうか?
一つ目(単願視)では、遠近や奥行きをしっかり感知することはできません。障害物がどの距離にあるか?、先へ進むと環境がどうのように変化していくか?、自分を襲う敵はどの距離にいるか?・・などは、一つ目ではよく認識できません。
→→ カンブリア紀;二つの目を持つ生物が現れた
二つ眼を持つことによって、生物は遠近や奥行きなどの3D空間の認識が可能となりました。敵から自分を守り、食べ物の獲得が有利となり、生存競争に打ち勝ち、生き残ったのではないでしょうか。
私たちの目が1つではなく、2つの目を持つことの意義を、このホームページであらためて考えていただければ幸いです。
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なお、現在、私たちは両眼視ではなく、単眼視(片目のみで見る)でも遠近や奥行きを認識することが出来ます。
おそらくそれは、機能の履歴遺伝によるもので、二つ目による認識機能が、私たちの脳や体に機能システムとして組み込まれているためと考えられます。しかしその潜在機能は、実際の両眼視による3次元空間認識に比べれば
瞬味でおぼつかない認識であろうと想われます。
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