top of page
”人体の動的遺伝” に気づく ホームページ
"マーメイド ダイナミクス ( 水中泳動 )
( 体内で秘かに働いている自動運動システム )
1私たちの目はステレオカメラ目構造を
している
Aさん :Qさんは、ステレオカメラというのを知ってますか?
Qさん:知ってますよ一台のカメラに2つのレンズが付いているカメラのことでしょう。立体的な映像が撮れるんだそうですね。
Aさん:私たちの目は左右に二つのカメラ目があって、いわばステレオカメラのような構造になっています。これによって、目の前の景色を立体的な3D映像として認識できるのです。
Qさん:立体像は、右目と左目の両眼視差によって作られるということですね。
Aさん:はい。二つのカメラ目が異なるアングルで被写体を映しているので、物や景色を立体的な映像として認識できるのです。
カメラ目は全ての脊椎動物が持っている目ですが、一枚のレンズから取り込む光の量が多く、ピント調整機能や網膜という大きな光受容器を持っていることが、カメラ目の特徴と言われています。
Qさん:そのカメラ目が、視覚泳動とどんな関係があるんですか?
2カメラ目(凸レンズ)で見ると、
水平線は湾曲して見える
Aさん:カメラ目は、いわば凸レンズの目ということですね。泳動の謎を探っている途中で、私はふと、凸レンズの見え方を、天眼鏡を使って改めて見直してみたのです。そして凸レンズの持つトリックに気が付いたのです。
Qさん:どんなトリックですか?
Aさん:それは、至極当然でありふれた事象なので、誰も取り立てて指摘しないようなトリックです。〜〜Qさん、この天眼鏡をかざして、向こうのテレビの上の枠を見てみませんか。
Qさん:ハイハイ。
Aさん:天眼鏡をかざしてテレビの枠の水平の線を見ると、中央は横に真っすぐですが、左右の端のほうは水平線が湾曲して見えるでしょう。
Qさん:・・:確かに、水平のラインが左右の端にいくとカーブしますねぇ。・・おやっ、天眼鏡を動かすと上にカーブしたり、下にカーブしたりするぞ!
Aさん:それがカメラ目の素朴な現実の世界です。
3眼前の水平線は、高度な視覚処理を経て
私たちの脳で認識される
Qさん:でも私たちには、水平線はまっすぐ横に伸びているように見えてますけどね。
Aさん:その通り、水平線は真っすぐ横に伸びているように見えます。しかし、視覚の研究によると、それは、実は私たちの視覚が、「目で見ているのではなく、脳で見ている」からなのだそうです。
私たちの目の前の光景は3次元世界ですが、目から入った光点情報は、網膜に集められ、そこから後頭にある第一次視覚野で単純な輪郭が分析され、続いて第2、第3次の視覚処理が行われ、さらに脳に記憶されている情報と照らし合わされて認識されているということです。・・こうした視覚処理は瞬時に脳で行われて、私たちは映像を認識しているようです。
Qさん:私たちの目は、目玉では湾曲して映る水平線を、脳の視覚処理を経て、真っすぐな水平の線として見ているということですか。
しかし、初期のカメラ目の時代は、私たちのような高度な視覚処理は出来ていない時代ですね。魚は、どのように世界を見ていたのだろう。
Aさん:私は想像を膨らませました。太古の生物は、まだ高度な視覚処理ができず、「もしかしたら水平・垂直線は湾曲して見えていたかもしれない」と想像したのです。〜〜そう考えたとき、視覚泳動の謎がほどけてきたように感じました・・!
Qさん:ほ〜ぉ。どのように謎がほどけたのですか。
4太古の生物は、凸レンズから投影された単純な視界の認識の元に行動したであろう
Aさん:天眼鏡で見て分かったように、凸レンズを通して見る視界は、角度によって歪み、変化しますね。・・仮に天眼鏡を太古の魚のレンズ目に置き換えて考えると、レンズから見える水平線は、その時々で、カーブした湾曲線や斜線に映って見えている(入力されている)のではないか、というのが私の着想です。
Qさん:なるほど。・・魚が動くと、魚の目(レンズ)の角度が変わる。魚の目の角度が変わると、今まで水平線に見えていた線は、右斜線や左斜線に変化することがある。そんな想像でしょうか。
Aさん;そうです。そこで私は、海の魚のカメラレンズ目の視界を想像してみました。
多くの魚の目は、体の側面に付いています。
単純な例で想像すると、魚のレンズ目を通して見える垂直の岩壁は、レンズの角度が変わると歪み、カーブした岩壁に見えます。魚は、垂直に見えていた岩壁がカーブして斜めに見えた時に、岩壁に衝突することを学んだ。さらに自分が動くと、岩壁がいろいろな方向に歪み傾くことを学んだ。
魚は岩壁が傾くと、その傾きに応じて体を動かし、岩陰が垂直に見える位置に方向転換することを学んだ。斜線に対して魚が反射的に行う動きが習性となり、その習性は「斜線に対しては体の方向を変える」という生態システムとして、古代魚の脳の記憶となった。
〜〜私はそのように想像してみました。
Qさん:何となくイメージが湧いてきましたよ。
5 視覚泳動には、視界に対する
生物の原始的な対応行動が現れている
Aさん:古代の生物はカメラ目を持つようになり、外界の光景を光点として認識するようになった。カメラ目によって外界の明暗を認識し、光点から線や輪郭や色を認識するようになった。古代の生物(魚)は、外界を線や輪郭で認識しながら、生存行動にそれを生かし、そして進化していったのでしょう。
視覚泳動には、左右二つのカメラ目が、まだ稚拙な認識機能しかなかった時代の、生物の原始的な習性が現れているように思います。
視界泳動、動眼泳動、片目泳動には、それぞれに共通して、魚の外界への反射的行動が現れているように思います。
Qさん:「視覚泳動のからくりは、カメラ目構造にある」というのは、そういうことだったのですね。・・ふ〜む。まだピンとこないところがありますねぇ。
Aさん:視覚泳動の全てを、カメラ目で説明できるとは言えませんが・・。例えば動眼泳動などは、目を閉じた状態でも、目を左右に動かすと発現します。カメラ目だけでは説明できない泳動ですが、その大元にはカメラ目が関係しているように思います。
カメラ目には、私たちが見落としていた ”からくり” が隠れているようです。
天眼鏡を使って水平線を見てみました。すると水平線は湾曲線や斜線に見えます。
太古の海の魚のカメラ目は、その素朴な見え方に反応して行動し、行動は習性となり、
次世代に引き継がれた。・・視覚泳動という生態の起源は、カメラ目にある・・。
bottom of page