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1風景・光景 → カメラ目 → 第一次視覚野

 

Qさん前章はカメラ目の話でしたね。

Aさん:ええ。カメラ目で見ると、目の前の壁や水平線は湾曲した壁や斜線に見えるという話です。太古の生物は、カメラ目で見る目の前の湾曲した面や斜線を認識して体を動かした。それが魚の習性となって「斜線に対しては体の方向を変える」という生態が定着した、という私の想像を採り入れた話をしました。

Qさん;魚のそうした生態を、私たち人間が受け継いでいるということですが、私には疑問が残ります。私たち人間は、カメラ目で見ても水平線は湾曲して見えません。なので、どのような経緯で視覚泳動が現れるのかが疑問です。・・Aさんはそれについては、どのように考えているのでですか?
Aさん:視覚泳動が現れる経緯についてはまだ不確かですが、着想はあります。・・視覚泳動は、第一次視覚野が発現の拠点になっているのではないかと考えています。
 
2光景は、第一次視覚野で
 線、輪郭、大まかな色などに変換される
 
Qさん第一次視覚野が拠点?
Aさん:第一次視覚野は、目の後方、後頭部にある組織です。右の図でその位置がおおよそ分かるでしょうか。
人間の場合、目の前に広がる光景は、光点として目から入力され網膜に送られます。そこで電気エネルギーに変換されて、第一次視覚野に送られ、さらに第二〜第四視覚野を経由して第五視覚野に進み、そこで脳の記憶と照合されて、私たちは光景を認識しているそうです。
Qさん第一次視覚野が視覚泳動をどのような関係が?
Aさん第一次視覚野では、網膜に投影された光点情報は、線、輪郭、エッジ、コントラスト、おおまかな色の情報に変換されるということです。
Qさんすると、目の前の光景は、第一次視覚野では点で描くドット絵のような感じに映っているのでしょうかねぇ。
Aさんイメージ的にはシンプルなドット画像のような感じかもしれませんね。私のイメージでは、第一次視覚野のニューロンがマス目に相当し、そこに短い線分が投影されているように想像しています。
第一次視覚野からは第2、第3視覚野に向かう視覚路のルートがあるのですが・・・、
 
3第一次視覚野には、傾斜した線に対して
   興奮するニューロンがある
 
Aさん:ネットで第一次視覚野の文献を探していて、ある日、三上章充先生の「脳の世界」の中で、興味深い研究論文を見つけました。論文を見て 「これだっ!」と思いましたね。

Qさんどんな論文ですか?

Aさんーベル賞を受賞したヒューベルとウィーゼルの研究論文です。二人の研究によって、第一次視覚野には、特定の傾きをもつ線分に対して興奮し、電気的な発信をするニューロン(神経細胞)群があることが突き止められました。しかもそのニューロンは、45度の傾きを持つ線分に対して、特に強く反応を示すことも調べられました。

Qさんなるほど・・。第一次視覚野には、斜線の線分が投影されると興奮し発信する神経細胞があるのですか。それはカメラ目の仕組みから考えて、意味深ですね。

Aさん:詳細については、三上章充先生の「脳の世界」の「脳の傾きを検出する細胞」を読んで下さい。

 

 

4 古代生物の視覚による行動能力は、

第一次視覚野の認識能力と同程度だったろう

 

Qさん:Aさんの着想が、なんとなく分かってきましたよ。

そのニューロンが45度の傾きを持つ線分に対して強く興奮するというのは、何か理由があるのでしょうか?。

Aさん:単なる発想にすぎませんが、45度の傾きをもつ線が現れると興奮するニューロンがあるならば、それは、カメラ目が斜線を捉えたときに興奮するニューロンではないだろうか、と想像したのです。

Qさん:つまり、①として、カメラ目(凸レンズ)で見ると、中心から外に向かうに従って水平線は湾曲する。次に②として、第一次視覚野には線の傾きに興奮する細胞があって、45度近くになると特に興奮する。・・この二つをAさんは結びつけて考えた、と、そういうことですね。

Aさん:その通りです。サルの視覚の実験なので、人間にそのまま当てはめることは出来ないかもしれませんが、参考にすることはできると思います。

古代生物は、獲得したカメラ目によって、目の前の光景のおおよその輪郭やその線の方向性に対応する方法を学習しながら、行動が進化していったと思われます。古代生物の素朴な目の能力は、3次元の外界を認識できるほど高性能ではく、第一次視覚野の視覚処理の能力に相当する程度だったとしても、その能力は、目を持たない古生物から、目を持つ古生物への大進化だったと思われます。生物の生態に、新たに視覚による生態が付加されたという、画期的な進化だっでしょう

Qさん:目を持たない生物から、目を持つ生物への進化ですか。・・なるほど。・・そしてその進化は、第一次視覚野の視覚認識の中にあり、視覚泳動はその認識に直結する運動機能ではないかと、そういう考えですね・・。

 

 

(仮説)

5 第一次視覚野から脳幹、または小脳 を経由して、視覚泳動が誘起されるルートがある

 

Aさん:はい、そうです。

視界泳動では単純な線画を見ると、線の方向性に誘われるかのような泳動が発生しますが、それは第一次視覚野の認識に準じる動きではないでしょうか。

そしてこれは私の個人的な想像(仮想)ですが・・、

従来の考え方では、視覚路というルートがあって、第一次視覚の情報は視覚路のルートを経て大脳へ行き、映像が認識されて、運動が行われるというのが定説です。

しかし私は、視覚路のルートとは別に、第一次視覚野から直接に脳幹または小脳を経て運動が誘起されるルートが在るのではないかと考えた訳です。前者を意識運動(随意運動)のルートとするなら、後者は不随意運動(無意識下運動)のルートに当たるかと

Qさん:ふ〜む。第一次視覚野からの情報が脳幹や小脳に向かうルートがあるのではないか、という考えですか。かなり大胆な発想ですね・・。

Aさん:はい。もちろん私の想像は誤っているかもしれません。調べてみると、小脳は大脳より形は小さいのですが、大脳の神経細胞が140億個であるのに対し、小脳は1,000億個もあるそうです。それだけ豊富で基礎的な内容を小脳はもっていると言えるでしょうね。
なお、第一次視覚野については、次のコーナーで引き続き述べてみたいと思います。
 
 
 
 
 
第一次視覚野で 線や輪郭が認識され、行動が誘起される
 視覚泳動:Q&A
光景は、カメラ目から網膜を経て 第一次視覚野に入力されます。
第一次視覚野では線や輪郭が認識されますが、それは古代生物の視覚機能に相当するでしょう。
皆さんは「目の動きや視野の変化で、体が動き出すのはなぜだろう」と、不思議に思いませんか?
私は、第一次視覚野から直接的に視覚泳動が誘起されるルート(=視覚路とは別のルート)
存在するのではないか?(=仮説)と考えました。
 
 
第一次視覚の下に小脳がある
小脳は1000億個の神経細胞を持つ小さな巨人
大脳の神経細胞は140億個 小脳はその7倍
仮説です
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